Log-101119

2010年11月20日

医療情報学会、続き。昨日はチュートリアルセッションだったので、実質的には今日が1日目。

医療クラウド関連の発表を中心に聴講してきたけど、前半の方は自分の想定していたところとちょっと方向性が違っていたため、感覚的にはいまいち・・・。最初のセッションで言えば、シンクライアントの話が多かったけど、個人的にはアプリの選定とか運用方法とかの話を聞きたかった・・・という感じのズレ。

今日、特に印象に残ったのは、最後のセッションにおける寺本先生のプレゼン。「法学」の立場での切り口が新鮮で、かつクラウドの導入に関する法律的・制度的(風潮的)な問題が理解しやすかった。

端的に言えば、「情報漏洩を防ぐために自前でサーバーを作ってプライベートクラウドにするのは、本当に得策か?」という切り口。保守・バージョンアップを自前でし続けなければならない負担、医療ミス(生死に関わる問題)と個人情報漏洩時の負荷の比較、etc. 何が何でも機密保持、と考えてしまうと場合によっては逆効果にもなり得る・・・と、普段とは異なる視点を与えてくれた感じ。
後は各省庁の縦割り行政の問題も・・・。

医療クラウドの場合、確かに「個人情報を守る」ことと「情報を共有して医療を行いやすくする」こと、さらには「共有すると決めた場合の標準化方法の問題」もあるけど、個人的にはちょっとくらい自分の個人情報が漏洩しても、それで医療の質が高まるなら気にならないし、むしろ積極的に共有して欲しいとは思う。

・・一般的には、どっちの感覚が強いんだろう。

個人情報と、情報共有による医療の質・速さの向上。もしどちらか片方しか選べないなら、どちらを選ぶか?

※情報を共有したところで、現状の場合は必ずしも向上に結びつけきれないのが痛いところでもある。